3不当に低い請負代金(建設業法第19条の3)


【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】
①元請負人が、自らの予算額のみを基準として、下請負人との協議を行うことなく、下請負人による見積額を大幅に下回る額で下請契約を締結した場合
②元請負人が、契約を締結しない場合には今後の取引において不利な取扱いをする可能性がある旨を示唆して、下請負人との従来の取引価格を大幅に下回る額 で、下請契約を締結した場合
③元請負人が、下請代金の増額に応じることなく、下請負人に対し追加工事を施工させた場合
④元請負人が、契約後に、取り決めた代金を一方的に減額した場合

上記①から④のケースは、いずれも建設業法第19条の3に違反するおそれがある。
(1) 「不当に低い請負代金の禁止」の定義 
建設業法第19条の3の「不当に低い請負代金の禁止」とは 「注文者が、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請 負契約を請負人と締結すること」である。
元請下請間における下請契約では、元請負人が「注文者」となり、下請負人が「請負人」となる。

(2 )「自己の取引上の地位の不当利用」とは、取引上優越的な地位にある元請負人が、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いること
建設業法第19条の3の「自己の取引上の地位を不当に利用して」とは、取引上優越的な地位にある元請負人が、下請負人の指名権、選択権等を背景に、下請負 人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いることをいう。

ア 取引上の優越的な地位
取引上優越的な地位にある場合とは、下請負人にとって元請負人との取引の継続が困難になることが下請負人の事業経営上大きな支障をきたすため、元請負人が 下請負人にとって著しく不利益な要請を行っても、下請負人がこれを受け入れざるを得ないような場合をいう。取引上優越的な地位に当たるか否かについては、 元請下請間の取引依存度等により判断されることとなるため、例えば下請負人にとって大口取引先に当たる元請負人については、取引上優越的な地位に該当する 蓋然性が高いと考えられる。

イ 地位の不当利用
元請負人が、下請負人の指名権、選択権等を背景に、下請負人を経済的に不当に圧迫するような取引等を強いたか否かについては、下請代金の額の決定に当たり 下請負人と十分な協議が行われたかどうかといった対価の決定方法等により判断されるものであり、例えば下請負人と十分な協議を行うことなく元請負人が価格 を一方的に決定し当該価格による取引を強要する指値発注(12ページ「4.指値発注」参照)については、元請負人による地位の不当利用に当たるものと考え られる。

(3 「通常必要と認められる ) 原価」とは、工事を施工するために一般的に必要と認められる価格
建設業法第19条の3の「通常必要と認められる原価」とは、当該工事の施工地域において当該工事を施工するために一般的に必要と認められる価格(直接工事 費、共通仮設費及び現場管理費よりなる間接工事費、一般管理費(利潤相当額は含まない )の合計額)をいい、具体的に 。 は、下請負人の実行予算や下請負人による再下請先、資材業者等との取引状況、さらには当該地域の施工区域における同種工事の請負代金額の実例等により判断 することとなる。

(4) 建設業法第19条の3は契約変更にも適用
建設業法第19条の3により禁止される行為は、当初契約の締結に際して、不当に低い請負代金を強制することに限られず、契約締結後元請負人が原価の上昇を 伴うような工事内容の変更をしたのに、それに見合った下請代金の増額を行わないことや、一方的に下請代金を減額することにより原価を下回ることも含まれ る。

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