建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準


一 趣旨
本基準は、建設業者による不正行為等について、国土交通大臣が監督処分を行う場合
の統一的な基準を定めることにより、建設業者の行う不正行為等に厳正に対処し、もっ
て  建 設  業  に 対 す  る 国 民 の 信  頼 確 保 と 不 正  行 為 等 の 未 然  防 止 に 寄 与 す  る こ と を 目  的 と す
る。
二 総則
1 監督処分の基本的考え方
建設業者の不正行為等に対する監督処分は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者
を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進するという建設業法の目的を踏まえつ
つ、本基準に従い、当該不正行為等の内容・程度、社会的影響、情状等を総合的に勘案
して行うものとする。
2 監督処分の対象
(1)地域
監督処分は、地域を限定せずに行うことを基本とする。ただし、営業停止処分を行
う場合において、不正行為等が地域的に限定され当該地域の担当部門のみで処理され
たことが明らかな場合は、必要に応じ地域を限って処分を行うこととする。この場合
においては、当該不正行為等が行われた地域を管轄する地方整備局又は北海道開発局
(当該地域が沖縄県の区域にあっては沖縄総合事務局)の管轄区域全域(九州地方整
備局にあっては沖縄県の区域全域を、沖縄総合事務局にあっては九州地方整備局の管
轄区域全域を含む )における処分を行うことを基本として地域を決定することとす 。
る。なお、役員が不正行為等を行ったときは、代表権の有無にかかわらず、地域を限
った処分は行わない。
(2)業種
監督処分は、業種を限定せずに行うことを基本とする。ただし、営業停止処分を行
う場合において、不正行為等が他と区別された特定の工事の種別(土木、建築等)に
係る部門のみで発生したことが明らかなときは、必要に応じ当該工事の種別に応じた
処分を行うこととする。この場合においては、不正行為等に関連する業種について一
括して処分を行うこととし、原則として許可業種ごとに細分化した処分は行わない。
改正後(3)請負契約に関する不正行為等に対する営業停止処分
建設工事の請負契約に関する不正行為等に対する営業停止処分は、公共工事の請負
契約(当該公共工事について下請契約が締結されている場合における各下請契約を含
む )に関して不正行為等を行った場合はその営業のうち公共工事に係るものについ 。
て、それ以外の工事の請負契約に関して不正行為等を行った場合はその営業のうち公
共工事以外の工事に係るものについて、それぞれ行うものとする。
3 監督処分等の時期等
(1)他法令違反に係る監督処分については、原則として、その刑の確定、排除措置命令
又は課徴金納付命令の確定等の法令違反の事実が確定した時点で行うことを基本とす
るが、その違反事実が明白な場合は、刑の確定等を待たずに行うことを妨げるもので
はない。
(2)贈賄等の容疑で役員等が逮捕された場合など社会的影響の大きい事案については、
営業停止処分その他法令上の必要な措置を行うまでに相当の期間を要すると見込まれ
るときは、これらの措置を行う前に、まず、法令遵守のための社内体制の整備等を求
めることを内容とする勧告を書面で行うこととする。
(3)公正取引委員会による警告が行われた場合、建設業者が建設工事を適切に施工しな
かったために公衆に危害を及ぼすおそれが大である場合、工事関係者に死亡者又は負
傷者を生じさせた場合等で必要があるときは、監督処分に至らない場合であっても、
勧告等の措置を機動的に行うこととする。
(4)指示処分を行った場合においては、建設業者が当該指示に従っているかどうかの点
検、調査を行う等の所要の措置を講ずることとする。
4 不正行為等が複合する場合の監督処分
不正行為等が複合する場合の監督処分の基準は、次のとおりとする。なお、情状によ
り、必要な加重又は減軽を行うことを妨げないものとする。
(1)一の不正行為等が二以上の処分事由に該当するとき
当該処分事由に係る監督処分の基準のうち当該建設業者に対して最も重い処分を課
すこととなるものに従い、監督処分を行うこととする。
(2)複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当するとき
① 建設業者の複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当する場合で、それぞれが営業停止処分事由に当たるとき
イ 複数の不正行為等が二の営業停止処分事由に該当するときは、それぞれの処分
事由に係る監督処分基準に定める営業停止の期間の合計により営業停止処分を行
うこととする。ただし、一の不正行為等が他の不正行為等の手段又は結果として
行われたことが明らかなときは、それぞれの処分事由に係る監督処分の基準のう
ち当該建設業者に対して重い処分を課すこととなるものについて、営業停止の期
間を2分の3倍に加重して行うこととする。
ロ 複数の不正行為等が三以上の営業停止処分事由に該当するときは 情状により 、 、
イに定める期間に必要な加重を行うものとする。
② 建設業者の複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当する場合で、ある行為が
営業停止処分事由に該当し、他の行為が指示処分事由に該当するとき
営業停止処分事由に該当する行為については上記二4(2)①又は下記三の定め
るところにより営業停止処分を行い、指示処分事由に該当する行為については当該
事由について指示処分を行うこととする。
③ 建設業者の複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当する場合で、それぞれが
指示処分事由に当たるとき
原則として指示処分を行うこととする。なお、不正行為等が建設業法第28条第1
項各号の一に該当するものであるときは、当該不正行為等の内容・程度等により、
営業停止処分を行うことを妨げないものとする。
(3)複数の不正行為等が一の処分事由に2回以上該当するとき
① 建設業者の複数の不正行為等が一の営業停止処分事由に2回以上該当するとき
当該処分事由に係る監督処分の基準について、営業停止の期間を2分の3倍に加
重した上で、当該加重後の基準に従い、営業停止処分を行うこととする。
② 建設業者の複数の不正行為等が一の指示処分事由に2回以上該当するとき
原則として指示処分を行うこととする。なお、不正行為等が建設業法第28条第1
項各号の一に該当するものであるときは、当該不正行為等の内容・程度等により、
営業停止処分を行うことを妨げないものとする。
5 不正行為等を重ねて行った場合の加重
(1)営業停止処分を受けた者が再び営業停止処分を受ける場合
営業停止処分を受けた建設業者が、当該営業停止の期間の満了後3年を経過するま
での間に再び同種の不正行為等を行った場合において、当該不正行為等に対する営業
停止処分を行うときは、情状により、必要な加重を行うこととする。なお、先行して
行われた営業停止処分の処分日より前に行われた不正行為等により再び営業停止処分
を受ける場合は、この限りでない。(2)指示処分を受けた者が指示に従わなかった場合
建設業者が指示の内容を実行しなかった場合又は指示処分を受けた日から3年を経
過するまでの間に指示に違反して再び類似の不正行為等を行った場合(技術者の専任
義務違反により指示処分を受けた建設業者が再び専任義務違反を犯すなどの場合をい
う )には、情状を重くみて、営業停止処分を行うこととする。 。
6 営業停止処分により停止を命ずる行為
営業停止処分により停止を命ずる行為は、請負契約の締結及び入札、見積り等これに
付随する行為とする。営業停止処分を受けた建設業者が当該営業停止の期間中に行えな
い行為及び当該営業停止の期間中でも行える行為の例は、別表のとおりとする。
7 不正行為等を行った企業に合併等があったときの監督処分
不正行為等を行った建設業者 以下 行為者 という に 不正行為等の後 合併 ( 「  」  。) 、  、  、
会社分割又は営業譲渡があった場合で、行為者の営業を承継した建設業者(以下「承継
者」という )の建設業の営業が、行為者の建設業の営業と継続性及び同一性を有する 。
と認められるとき
① 行為者が当該建設業を廃業している場合には、承継者に対して監督処分を行う。
② 行為者及び承継者がともに当該建設業を営んでいる場合には、両者に対して監督処
分を行う。
三 監督処分の基準
1 基本的考え方
(1)建設業法第28条第1項各号の一に該当する不正行為等があった場合
当該不正行為等が故意又は重過失によるときは原則として営業停止処分を、その他
の事由によるときは原則として指示処分を行うこととする。なお、個々の監督処分を
行うに当たっては、情状により、必要な加重又は減軽を行うことを妨げない。
(2 (1)以外の場合において、建設業法の規定(第19条の3、第19条の4及び第 )
24条の3から第24条の5までを除き、入札契約適正化法第13条第3項の規定に
より読み替えて適用される第24条の7第4項を含む )又は入札契約適正化法第1 。
3条第1項若しくは第2項の規定に違反する行為を行ったとき
指示処分を行うこととする 具体的には 建設業法第11条 第19条 第40条 。 、  、 、 、
第40条の3違反等がこれに該当するものとする。
(3)不正行為等に関する建設業者の情状が特に重い場合又は建設業者が営業停止処分に違反した場合
建設業法第29条の規定により、許可の取消しを行うこととする。
2 具体的基準
(1)建設業者の業務に関する談合・贈賄等(刑法違反(競売入札妨害罪、談合罪、贈賄
罪、詐欺罪 、補助金等適正化法違反、独占禁止法違反) )
a 代表権のある役員 建設業者が個人である場合においてはその者 以下同じ ( 。 。)
が刑に処せられた場合は、1年間の営業停止処分を行うこととする。
b その他の場合においては、60日以上の営業停止を行うこととする。この場合
において、代表権のない役員又は政令で定める使用人が刑に処せられたときは12
0日以上の営業停止処分を行うこととする。
c 独占禁止法に基づく排除措置命令又は課徴金納付命令の確定があった場合(独
占禁止法第7条の2第13項に基づく通知を受けた場合を含む )は、30日以 。
上の営業停止処分を行うこととする。
d a~cにより営業停止処分(独占禁止法第3条違反に係るものに限る )を受 。
けた建設業者に対して、当該営業停止の期間の満了後10年を経過するまでの間
にa~cに該当する事由(独占禁止法第3条違反に係るものに限る )があった 。
場合は、a~cにかかわらず、それぞれの処分事由に係る監督処分基準に定める
営業停止の期間を2倍に加重して、1年を超えない範囲で営業停止処分を行うこ
ととする。
(2)請負契約に関する不誠実な行為
建設業者が請負契約に関し(入札、契約の締結・履行、瑕疵担保責任の履行その他
の 建 設  工 事 の 請 負 契  約 に 関 す る 全  て の 過 程 を  い う  、 社 会 通  念 上 建 設業 者 が有 す べ 。)
き誠実性を欠くものと判断されるものとしては、次のとおり監督処分を行うこととす
る。
① 虚偽申請
公共工事の請負契約に係る一般競争及び指名競争において、競争参加資格確認申
請書、競争参加資格確認資料その他の入札前の調査資料に虚偽の記載をしたときそ
の他公共工事の入札及び契約手続について不正行為等を行ったとき(完成工事高の
水増し等の虚偽の申請を行うことにより得た経営事項審査結果を公共工事の発注者
に提出し、又は公共発注者がその結果を資格審査に用いた場合を含む )は、15 。
日以上の営業停止処分を行うこととする。
② 一括下請負
建設業者が建設業法第22条の規定に違反したときは、15日以上の営業停止処
分を行うこととする。ただし、元請負人が施工管理等について契約を誠実に履行しない場合等、建設工事を他の建設業者から一括して請け負った建設業者に酌量 すべ
き情状があるときは、営業停止の期間について必要な減軽を行うこととする。
③ 主任技術者等の不設置等
建設業法第26条の規定に違反して主任技術者又は監理技術者を置かなかったと
き(資格要件を満たさない者を置いたときを含む )は、15日以上の営業停止処 。
分を行うこととする。ただし、工事現場に置かれた主任技術者又は監理技術者が、
同条第3項に規定する専任義務に違反する場合には、指示処分を行うこととする。
指示処分に従わない場合は、機動的に営業停止処分を行うこととする。この場合に
おいて、営業停止の期間は、7日以上とする。
また、主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であ
り、かつ、その変更が公益上必要であると認められるときは、直ちに当該技術者の
変更の勧告を書面で行うこととし、必要に応じ、指示処分を行うこととする。指示
処分に従わない場合は、機動的に営業停止処分を行うこととする。この場合におい
て、営業停止の期間は、7日以上とする。
④ 粗雑工事等による重大な瑕疵
施工段階での手抜きや粗雑工事を行ったことにより、工事目的物に重大な瑕疵が
生じたときは、7日以上の営業停止処分を行うこととする。
⑤ 施工体制台帳等の不作成
施工体制台帳又は施工体系図を作成せず、又は虚偽の施工体制台帳又は施工体系
図の作成を行ったときは、7日以上の営業停止処分を行うこととする。
⑥ 無許可業者等との下請契約
建設業者が、情を知って、建設業法第3条第1項の規定に違反して同項の許可を
受けないで建設業を営む者、営業停止処分を受けた者等と下請契約を締結したとき
は、7日以上の営業停止処分を行うこととする。
また、建設業者が、情を知って、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金
の額が建設業法第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結
したときは、当該建設業者及び当該特定建設業者以外の建設業を営む者で一般建設
業者であるものに対し、7日以上の営業停止処分を行うこととする。
(3)事故
① 公衆危害
建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために、公衆に死亡者又は3人以上
の負傷者を生じさせたことにより、その役職員が業務上過失致死傷罪等の刑に処せ
られた場合で、公衆に重大な危害を及ぼしたと認められる場合は、7日以上の営業
停止処分を行うこととする。それ以外の場合であって、危害の程度が軽微であると
認められるときにおいては、指示処分を行うこととする。また、建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼすお
それが大であるときは 直ちに危害を防止する措置を行うよう勧告を行うこととし 、 、
必要に応じ、指示処分を行うこととする。指示処分に従わない場合は、機動的に営
業停止処分を行うこととする。この場合において、営業停止の期間は、7日以上と
する。
② 工事関係者事故
役職員が労働安全衛生法違反により刑に処せられた場合は、指示処分を行うこと
とする。ただし、工事関係者に死亡者又は3人以上の負傷者を生じさせたことによ
り業務上過失致死傷罪等の刑に処せられた場合で、特に重大な事故を生じさせたと
認められる場合には、3日以上の営業停止処分を行うこととする。
(4)建設工事の施工等に関する他法令違反
他法令違反の例は次のとおりであるが、監督処分に当たっては、他法令違反の確認
と併せて、当該違反行為の内容・程度、建設業の営業との関連等を総合的に勘案し、
建設業者として不適当であるか否かの認定を行うこととする。
① 建設工事の施工等に関する法令違反
ⅰ 建築基準法違反等
a 役員又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以
外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分を行うこと
とする。
b 建築基準法第9条に基づく措置命令等建設業法施行令第3条の2第1号等に
規定する命令を受けた場合は指示処分を行うこととし、当該命令に違反した場
合は3日以上の営業停止処分を行うこととする。
ⅱ 廃棄物処理法違反、労働基準法違反等
役員又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外
の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分を行うこととす
る。
ⅲ 特定商取引に関する法律違反
a 役員又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以
外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分を行うこと
とする。
b 特定商取引に関する法律第7条等に規定する指示処分を受けた場合は、指示
処分を行うこととする。
また、同法第8条第1項等に規定する業務等の停止命令を受けた場合は、3
日以上の営業停止処分を行うこととする。② 役員等による信用失墜行為等
ⅰ 法人税法、消費税法等の税法違反
役員又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外
の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分を行うこととす
る。
ⅱ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反(第31条第7項の規定
を除く )等 。
役員又は政令で定める使用人が刑に処せられた場合は、7日以上の営業停止処
分を行うこととする。
四 その他
① 建設業許可又は経営事項審査に係る虚偽申請等建設業法に規定する罰則の適用対
象となる不正行為等については、告発をもって臨むなど、法の厳正な運用に努める
こととする。
② 不正行為等に対する監督処分に係る調査等は、原則として、当該不正行為等があ
った時から3年以内に行うものとする。ただし、他法令違反等に係る監督処分事由
に該当する不正行為等であって、公訴提起されたもの等については、この限りでな
い。
③ 監督処分の内容については、速やかに公表することとする。
五 施行期日等
① この基準は、平成14年5月1日から施行する。
② この基準は、その施行後に不正行為等が行われたものから適用する。


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